★ 伊東 潤 著「黒南風の海~加藤清正 文禄・慶長の役 異聞」読了

この本のタイトル、何と読むかご存知ですか?

昔、古典で習っているから知ってるよね。

そう、「くろはえ」。

 

余談ですが、南風は「はえ」で東風は「こち」、西風は「ならい」、北風は「あなじ」です。

一番ポピュラーなのが、東風ですよね。

菅原道真の「東風吹かばにほひをこせよ梅花 主なしとて春を忘るな」は有名ですからね・・。

 

ついでに風の種類を「風の名称辞典」で調べてみたら・・・・、何と200近くの名称がありました。

風一つで、時間、場所・地域、季節、天候、風向きなどがわかるんですね。

因みに、南風は、山陰・西九州地方でよく用いられる南風の呼名で、黒南風(くろはえ)は梅雨の初めの黒い雨雲の下を吹く風で、梅雨の最盛期の強い南風を「荒南風(あらはえ)」、梅雨明け後に吹く風を「白南風(しらはえ)というそうです。

 

日本語って・・・、繊細ですよね!

余談が長すぎました。

 

「黒南風の海~」は、文禄・慶長と二度に渡って行なわれた豊臣秀吉最晩年の大事業であり最大愚行といわれる朝鮮出兵をテーマにした長編小説です。

 

この朝鮮出兵に関しての小説は少なくってね、山田風太郎の「妖説太閤記」と「破倭兵状」、荒山徹の「高麗秘帖 朝鮮出兵異聞」ぐらいしか読んでいません。

 

上記3冊がすごく面白かったので、もう少しこの文禄・慶長の役を描いた歴史小説を読みたいと本屋さんで探していましたが、やっと見つけたのがこの本。

 

この作品の主役は、二人の男。

一人は日本軍の先陣・加藤清正(講談本でもお馴染みだよね!)の鉄砲隊をあずかる沙也可こと佐屋嘉兵衛忠善と、朝鮮の北辺・咸鏡道の役人である金宦(きんかん)こと良甫鑑(リャン・ボ・カム)。

 

日本軍が破竹の進撃を続けるなか、他国を侵す戦いに疑問を抱きはじめていた嘉兵衛と王子を守る金宦が、思わぬ運命に翻弄され、それぞれの祖国を裏切ることに・・・。

しかし、二人は、自分の信じる道を突き進む。

運命の糸に絡め取られ、立場を入れ替えてしまった二人の男の生き様を通して「文禄・慶長の役」を真正面から描いた長編小説です。

 

「文禄・慶長の役」に関しての朝鮮側の文献を引用しながら、また随所に朝鮮の歴史や文化が紹介されおり、半分は小説、半分はドキュメンタリーみたいになっています。

 

著者の後書きにも書かれているように「小説作品とはいえ、ドラマ部分を除けば、極めて史実に近いものが描けた」作品。

 

この作品はとても面白いのですが、この朝鮮出兵は日本が朝鮮半島におこなった侵略戦争です。

 

侵略戦争が、いかに、人々を不幸にするか!

 

この作品を読んで、戦争の悲惨さをもう一度考えてみては・・・・。

 

PHP出版 文庫 800円(税込)

 

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